床山さんの道具

昨年秋場所の和装Dayに配布された、床山さんの道具がデザインされた手ぬぐいには、
3種類のくしが配されています。
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上から「すきぐし」「そろえぐし」「あらぐし」。
ちょんまげを結うのに必要なくしはこの3つ。

鬢付け油をつける前に髪の毛のほつれをほぐし、
油をつけたら、その固まった状態をほぐすのが「あらぐし」。
その名のとおり、歯は粗め。

油を髪全体にまんべんなく行きわたらせるのと同時に、
細かい歯で、汚れやふけ、かゆみを取り除くのが「すきぐし」。

最後に「そろえぐし」でそろえて、元結いでしばります。

ちょんまげを結うのに要する時間は約5分。
大銀杏には20分ほどかかるそうです。

さて、床山さんが使うのは、名古屋の職人さんが作るつげのくし。
つげは髪を傷めず、つやを出すのに適しているのだそう。

将棋の駒にも使われる鹿児島産のつげを1年ほど乾燥させ、
それによって生じた反りを直すために燻したあと、さらに乾燥させること、5年以上。
その後、歯を削り、ていねいにヤスリをかけて仕上げているそうです。

とても高価なものですが、腕の確かな職人さんがこれだけ手間と暇をかけているのだから
当然といえば至極当然。

床山さんによっては、20年も使いつづけている人もいるそうです。