#祭りと伝統

力士幟のお話

今場所、北門横に立てられた朝乃山の幟。 蔵前は幸鮓さんから初めて贈られたものです。 幟は、関取一人につき、一場所1本と決まっていますので、 贈りたいという方が複数いらしたら、早い者勝ちに。 幟の立つ位置は、正面木戸口にいちばん近いところが“上座…

しこ名あれこれ

高砂部屋はいま空前の改名ブーム。 初場所に朝山端が朝鬼神、朝森本が朝虎牙とそれぞれ改めたのを皮切りに、 今場所は、朝横道→朝心誠、朝達家→朝童子、朝塩本→朝阪神と改名。 それから朝大門は、字はそのまま、読みをオオカドからダイモンにプチ改名しまし…

新たな歴史を刻む高砂部屋

前回、「目の前の1勝にこだわりすぎなくても」と書きましたが、 されど1勝はかくも大きいものかとことさら今回は考えさせられました。 新聞などで話題になっているので、ご存じの方は多いと思いますが、 明治11年の創設以来、138年もの間、関取を絶やすこ…

前夜じゃないけど前夜祭

今日は福岡国際センターで、「大相撲九州場所前夜祭」が催されました。 「前夜祭」とはいっても、3日前の午後3時開演、6時終演。 横綱土俵入りや初っ切り、子ども力士の“関取に挑戦”はもちろん、 トークイベントや関取のど自慢などが行われるのはすべて土…

旧両国国技館での断髪式

早稲田大学を卒業し、インテリ力士として有名だった笠置山。 卒業前に十両昇進を果たしていたため、卒業式には関取の正装である大銀杏を結って出席しています。 出羽の海部屋では、打倒双葉山の「参謀役」として その連勝を止めるための対策と研究に明け暮れ…

馬力かけすぎて力はいっちゃった。

最近使われなくなった隠語として、 「石炭を焚く」のほかに北の富士さんが挙げられたのが、「馬力」。 たとえば、「豊響は馬力がある」の「馬力」は体力とか精力とか活力とか、 そんな意味で使われる一般用語で、隠語ではありません。 その日の実況担当だっ…

石炭焚かんかい!

何日か前のNHKの放送で北の富士勝昭さんが、相撲界で最近使われなくなった、 いわゆる隠語として「石炭を焚く」を挙げていらっしゃいました。 さっそく夫に取材。 「ぼやぼやしてないで急げ」という意味で「石炭を焚け」が使われるのだそうですが、 北の富士…

座布団乱舞

初場所14日目の結びの一番。 横綱白鵬が大関稀勢の里に敗れるや、 舞うわ舞うわ、座布団がいつまでも舞い続けました。 たしかに座布団乱舞の光景は、相撲観戦の醍醐味のひとつ。 この日は桝の後方に座っていたので、この光景をいささか興奮気味に楽しみまし…

鹿島神宮奉納土俵入り

先週の土曜日、鹿島神宮で横綱白鵬による奉納土俵入りが行われました。 鹿島神宮は神武天皇元年創建の由緒ある神社。 樹齢1200年の御神木が本殿の後ろにそびえます。 御祭神は、武道の神様である武甕槌大神。 相撲の祖神ともいわれていますが、 大相撲の力士…

足袋も、白黒ハッキリ。

今場所5日目に幕内出場1位となった旭天鵬関。 40歳とは思えぬ肌つやのよさに驚かされます。 サポーターなどをつけているのもほとんど見たことがないように思います。 ただ、左足の足袋はトレードマークといえるほど、ずいぶんの長きに渡り履きつづけていま…

懸賞と鮑のお話

今場所は、懸賞の本数が1300本ほどとなる見込みだそうです。 これは今年初場所の1198本を超えて、史上最高。 今場所は新たに、DHCが横綱鶴竜の取組に毎日5本懸けることに。 努力家で一生懸命な人柄なので、社を挙げて応援しようということになったのだそう。…

鎮め物

突然ですが、これは何でしょう? 答えは鎮め物のひとつであるカヤの実を炒ったもの。 (ちょっと炒りすぎ ^_^; ) 今年の初め、夫が外国人に向けて相撲講座をしたときに通訳をしてくださった方が、 カヤの実を見たことがないという夫にくださったのでした。 …

七夕と相撲

先月上旬、縁あって、茨城県潮来市の「鹿嶋・吉田神社」の竣工式に列席させていただきました。 老朽化のため改築された真新しい社殿は、実に壮麗でした。 「鹿嶋・吉田神社」は、大同元(806)年の創祀と伝えられる、歴史ある神社。 毎年7月の最終日曜日に…

大入り袋の中身は?

この五月場所は、10日間も満員御礼が出たそうです。 10日間の満員御礼は、若貴人気の1990年代後半以来、実に17年ぶりのこと。 満員御礼が出ると、関係者にこのような大入り袋が配られます。 関係者とは、親方衆、関取衆、十両格以上の行司・呼出・床山さん、…

床山さんの道具

昨年秋場所の和装Dayに配布された、床山さんの道具がデザインされた手ぬぐいには、 3種類のくしが配されています。 上から「すきぐし」「そろえぐし」「あらぐし」。 ちょんまげを結うのに必要なくしはこの3つ。 鬢付け油をつける前に髪の毛のほつれをほぐし…

新横綱の土俵入り

野見宿禰神社は、明治18年に津軽藩上屋敷の北東の角地に建立された神社。 この東側に部屋をもっていた、初代高砂浦五郎が、 相撲の神様として知られる野見宿禰を祀ったのが始まりといわれます。 東京場所前の金曜日の朝、ここで野見宿禰神社例祭が行われます…

江戸時代の横綱展

両国国技館内にある相撲博物館は、場所中は観戦チケットが必要ですが、 ふだんは無料で入館可能。 先週から、「江戸時代の横綱と雷電」という展示が始まっておりまして、 江戸時代に活躍した横綱に雷電を加えた13人の力士たちを 錦絵や実際に使用した化粧ま…

雲竜型の土俵入り

第71代横綱となった鶴竜関の横綱推挙状授与式と奉納土俵入りが 今日、明治神宮で行われました☆ 千秋楽の日曜日に優勝を決め、正式に横綱昇進が決定したのが水曜日。 火曜日には「横綱」づくりがスタート。 綱のなかに入れる麻を米ぬかといっしょにもむ「麻も…

相撲の固有性

始まりました、春場所。 昨日の初日には、早くも今場所もっとも注目されている力士同士の対戦が組まれました。 それぞれ持ち味を発揮し、鶴竜も遠藤もこの場所を大いに盛り上げてくれそうな予感☆ さて前回、相撲は「時代を超えて存続可能なように制度設計さ…

大入りの願いが込められた相撲字

前回は番付表の「型」について書きました。 今日は番付表の「文字」について。 この文字は相撲字といわれ、書くのは行司さん。 根岸流とも呼ばれるのは、 江戸~大正時代まで番付表の版元だった三河屋根岸治右衛門の名にちなんでいます。 観客の大入りの縁起…

再びお伊勢に参ります♪

伊勢神宮の式年遷宮では、 内宮、外宮の両正宮と、14の別宮で正殿をはじめ御垣内の建物すべてが新造されるので、 1回の遷宮で必要とされる檜は、なんと1万本に及ぶそうです。 これだけを考えても、遷宮には膨大な費用が必要であろうことは容易に想像がつく…

式年遷宮を前にお伊勢参り

ご存じのとおり今秋、式年遷宮を迎える伊勢神宮。 ここは日ごろから参拝者でにぎわっているのだろうと思いますが、 この20年に一度のビッグイベントについては、今年に入ってから喧伝されてきたせいもあってか、 私たちが訪れたのは7月の平日というのにすご…

部屋での土俵祭り

数日前のブログを見た夫が、部屋での土俵祭りの写真を提供してくれました! 今年の春場所前の模様です。 こんなふうに、装束を身に付けた行司さんが祭主となり、稽古の合間に土俵祭りが行われます。 後方には拍子木を鳴らす呼出さん お祓いしています 後ろ姿…

多技に通ずる行司さん

今日から夏場所が始まりました。 そして今日、このブログへの訪問者が1000人に到達しました。 ありがとうございます! 初日に1000人到達とは、不思議なご縁を感じます。 なんだか縁起がいいような気もしてきました。 相撲の神様が、このブログにも降りてきて…

ようこそ、土俵の神様☆

夏場所初日もいよいよ明日に迫りました。 今朝は国技館で土俵祭りが行われたはずです。 土俵祭りとは、「本場所初日の前日に行われる、新しくつくった土俵の地鎮祭」 と相撲協会のHPでは説明されています。 神官姿の立行司が祭主となり、理事長をはじめ、審…

幟が立てられるのはいつ?

幟はいつごろ立てられるのか、さっそく夫にたずねてみたら、 「だいたい初日の1週間前」とのこと。 今回は、連休明けの7日に予定されていたそうなのですが、 風があまりに強かったため、翌8日に延期されたということでした。 たしかに東京は7日、青葉を…

幟が似合う季節は?

今日、国技館の前を通りかかったら、昨日までは立っていなかった幟が並んでいました。 番付発表が終わったのに、そういえばまだ幟が立っていないな~ と思っていたところです。 幟って場所前のどのタイミングで立てられるのでしょうか? あまり気にしたこと…

コートは着ない!?

番付がすべてに優先されるキビシイ相撲界では、着るもの、履くものも番付によって違いがあります。 たとえば 雪駄を履けるのは三段目から(序の口・序二段は下駄か草履) 袷の着物を着られるようになるのも三段目から(序の口・序二段は単衣) 外套(コート…