式年遷宮を前にお伊勢参り

ご存じのとおり今秋、式年遷宮を迎える伊勢神宮

ここは日ごろから参拝者でにぎわっているのだろうと思いますが、
この20年に一度のビッグイベントについては、今年に入ってから喧伝されてきたせいもあってか、
私たちが訪れたのは7月の平日というのにすごい人出でした。
混雑を避けて秋の遷宮前に参拝しちゃおうって人も、けっこう多いみたいです。

新しいお社はほぼ完成していて、新旧を拝み見ることができたので、
このタイミングで訪れたのは正解でした☆

たまたまお白石持行事の初日に当たったのもラッキーでした。
お白石持行事とは、8年にも及ぶ遷宮行事のクライマックスで、
遷宮に先立って、1か月ほど続くそうです。

町単位のグループごとに、白い石を各人が携えて、新しいご正殿に奉献するのですが、
この白石は清流とされる宮川から拾い集めたものでなければならないといいます。

しかし、ご自身も翌日お白石持行事に参加予定とおっしゃるタクシーの運転手さんいわく、
近年は宮川に白石が不足しており、宮川モノ以外で唯一認められている、
やはり清流である四万十川の石を買い求める町もあるそう。
これがけっこう値が張るので、なかには中国の白石を納める輩もいるのだとか。
しかし、中国モノは見る人が見ればすぐにわかるらしく、神宮に突っぱねられてしまうんですって。

さて伊勢神宮式年遷宮は、持統天皇の治世690年に第一回目が内宮で行われたといわれますから、
この営みは1300年にわたって続けられ、伝統が受け継がれてきたということ。
まったくどえらいことです!!

式年遷宮は、常に生き生きとしたみずみずしさを尊ぶ、神道の「常若の思想」に基づいているといわれます。
建物がまだ使用可能の状態であっても老朽化することはケガレを意味し、
神の生命力を衰えさせることとして忌み嫌われたため、
新しくすることで神の生命力をよみがえらせ、活性化することになると考えられたのではないか
ということです。

神事である大相撲においても、
2、3場所はそのまま使っても構造的には問題がないというのに、
国技館の土俵ばかりか、各部屋の稽古土俵も場所ごとに築き直されるのは、
「常若思想」によるのかもしれませんね。