気を失ったこと、ありますか?

突然ですが、みなさんは気を失ったこと、ありますか?

私は子どものころに一度だけ。
降りたバスの陰から飛び出して、対抗車線のクルマにはねられ、気づいたときは、
誰かに抱きかかえられていて目の前には大人たちの顔がたくさんありました。

救急車で病院に運ばれはしましたが、その場の処置だけで済むほどの軽症でした。

飛び出した自分が悪いのだと幼くともわかっていた私は、
ドライバーの方がうちにお見舞いに来てくださることが申し訳なくて申し訳なくて
居たたまれない気持ちだったのを覚えています。

一方の夫は、大人になってから何度か気を失っているというから驚きます。

一度は現役のころ、二日市(福岡県)の夜道を自転車で走っていたときに、
ガードレールに激突して下腹を強く打ち、自転車で帰るのは困難と判断、
宿舎までタクシーに乗ったそうなのですが、降りた瞬間に気絶。

気づくと目の前にはアスファルトが…。
「あ、そうか。お金を払ってタクシーを降りたところで気を失っちゃったのか」
しばらく考えたあとに、ようやく事態を把握したそうです。

もう一回は、引退して間もない数年前の平塚合宿のとき。
ピーラーで大根の皮を剥いていたら勢い余って親指の先を切り落としてしまい、
病院で処置をしてもらったまではよかったのですが、
翌日の病院で、消毒のために包帯などを外され患部を見た途端、
気持ち悪くなって、意識が遠退いてしまったそうなんです。

それを聞いたときはもちろんすごーく心配しました。
丸い指先が、歪んだ五角形になっちゃったというから、想像しただけでもオソロシイです。

しかし、親指もすっかり元通りになったいまだからこそ、
その光景を想像すると、本人には誠に申し訳ないけれど、笑っちゃうのです。

だって、ついこの前までお相撲さんだった男が、
しかも普段から「痛い」とか「つらい」などと口にしない屈強の男が、
自分の指の傷口を見て気を失っちゃってるんですよ~
ついつい笑っちゃうの、わかっていただけますよね。

お相撲では股関節の脱臼や靱帯断裂などの大ケガをしている夫ですが、
そんなときでも「うっ」と声を出したくらいだったし、痛みには強いという自負があったそうで、
そんな自分が気絶とは、本人もビックリなんだとか。

それにしても、十分すぎるほどいいオトナなんだから、気を失うようなことはもうしないでくださいよー。