新たな歴史を刻む高砂部屋
前回、「目の前の1勝にこだわりすぎなくても」と書きましたが、
されど1勝はかくも大きいものかとことさら今回は考えさせられました。
新聞などで話題になっているので、ご存じの方は多いと思いますが、
ついに関取がいなくなることが濃厚になりました。
今場所から幕下に下がっていた朝弁慶は4勝3敗と勝ち越したものの、再十両は微妙。
あと1勝していれば朝赤龍は十両に残れたし、朝弁慶は十両に戻れたのです。
そう、部屋は違えど稀勢の里はここ数場所、その1勝に泣き続けていますよね。
たったひとつ、されど大切なひとつの白星のために、
来る日も来る日も厳しい稽古を重ねるお相撲さんたちに改めて頭が下がる思いです。
千秋楽パーティの二次会で朝赤龍関と同席した夫によれば、関取は元気がなかったそう。
長らく高砂部屋の“一人関取”として
部屋の関取を絶やしてはならないというプレッシャーと闘ってきた関取は
責任を感じてしまっているようです。
でも、長くひとりでがんばってくれたことに感謝こそすれ、
朝赤龍関の責任だなんて誰も思っていないはず。
幕下上位には、3枚目の朝弁慶を筆頭に、
14枚目に石橋、17枚目に玉木、24枚目に朝興貴が控え、
今場所はそろって勝ち越しています。
高砂親方が千秋楽パーティのあとに言われたとおり、
来場所から新たな歴史をつくっていってほしいと思います。