還暦祝いの赤い綱

「多才で器用な呼出・邦夫さんは髷も結える」というお話は前回しました。
今回は彼の“多才で器用”を生かした、もうひとつの特技をご紹介します。

このブログでは何度か話題にしている蔵前の幸鮓さんが、
先月めでたく60周年を迎えられました☆
 
こちらは、そのお祝いにお贈りした還暦の赤い綱。
邦夫さんに作っていただいたものです。
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邦夫さんは、引退された高砂部屋の呼出・三平さんからその技を引き継ぎ、
夫いわく、現在、相撲協会のなかでこのミニチュア版の綱を作れるの唯一の人。

実際に横綱が締めている綱は、強度を高めるために麻をキャラコで巻いているのに対して
飾ることだけが用途のこちらは、麻のかわりに木綿の紐を使用しているとのこと。
それ以外は、材料も作り方も本物とまったく同じだそうです。

本物の10分の1弱の大きさですが、制作には約1週間を要するといいます。
ちなみに、本物の綱はキャラコ90センチ巾×10メートルの布地を3枚使うそう。

右の「祝 還暦 幸鮓さん江」と左の「雲龍型」の文字はもちろん相撲字。
行司さんが書いてくださったものです。
 
ご主人は、東京場所ごとに1~2度は国技館で観戦されるほどの相撲好き。
邦夫さんのおかげで、いい贈り物ができました。
 
三平さんがそうされたように、邦夫さんもいずれはこの素晴らしい技を
後進に伝えてほしいと思います。