船上から見た満天の星☆

初めて徳之島を訪れたの夫の現役最後年の春場所
 
2回目は5月場所後、入院中の義父のお見舞いに。

3回目は、その年の今日7月9日、名古屋場所が始まってすぐ(たしか2日目だったと思う)のこと、
前夜、義父逝去の知らせを受け、急いで徳之島に向かったのでした。

私は8日の午後に名古屋を訪れていました。
夫と栄の居酒屋さんで晩ご飯をしているときに、義父の訃報が。
ショックを受け、落ち着かない様子だった夫は、
その日はもう島に行く手立てがないので、翌朝いちばんで徳之島に向かうつもりのようでした。

取るものも取りあえず、父のもとに飛んでいきたい気持ちは私もよくわかります。
でも、しばらくしてから
「明日のお相撲を取らずに駆けつけるのと、明日取ってから行くのと、お父さんはどちらを喜ばれるかな?」
と夫に問いかけてみました。

もともと相撲好きで、息子の活躍を喜び応援していた義父は、
翌日の不戦敗を望まないのではないかと思えたからです。

しばらく考えて、夫は翌日の相撲を取ることに決めました。

その一番は、史上初の国立大出身力士同士の対戦。
序二段の土俵でしたが、ものすごい数の報道陣が詰めかけ、
いつもは静かな午前中の館内が異様な雰囲気に包まれていました。

夫はその一番に勝って、亡き父に白星を捧げることができました。
私には、土俵下で応援している義父の姿が見えた気がしました。

相撲を取り終え、大急ぎで飛行機に乗り込み、鹿児島へ。
鹿児島からの最終便はすでに飛び立ったあとだったので、船で島に向かいました。
18時に出港し、徳之島に到着するのは翌朝9時すぎ。
15時間もの長い長い船旅です。

おそらく違う理由でそれぞれ眠れず、私たちは夜中に甲板に出ました。
まわりは一面海なので、言うまでもなく真~っ暗闇。
デッキから見た星があまりに美しくて、1時間ほど眺めていたでしょうか。

しかし、強い潮風にあおられていたので、
当時は長かった私の髪の毛は絡まっちゃって絡まっちゃって、もうたいへん。

満天の星空は、それはそれは感動的で、
こんなステキな機会を与えてくれたお義父さんには感謝してますけど、
慣れない船旅に疲れ果て、髪の毛はバッサバサ。
島まで船で行くのは1回で十分です。