遷宮相撲
ここに伝わる「古典相撲」は、江戸・寛永年間に、
隠岐の国の一宮である水若酢(みずわかす)神社社殿の改築にあたって行われた
勧進相撲を起源とするといわれます。
現在では、神社の遷宮のほか、小学校の開校記念やダムの竣工、空港の開港など
島内でお祝い事があるときに限って開催されており、夜通し行われるのが特徴だそうです。
水若酢神社の遷宮奉祝記念の古典相撲大会をモデルにした映画「渾身」が、
今年1月に公開されました。
神社にお参りする冒頭のシーンに、隠岐の海関が紋付き袴姿でゲスト出演されてましたっけ。
映画を通じて伝えたいという想いを胸に、10年来「隠岐古典相撲」に注目されていたのだそうです。
古典相撲大会では、1トンもの塩が消費されるそうですが、
観客が激励の意味をこめて、土俵上の力士に大量の塩を撒くシーンは圧巻。
そのほか、役力士の選出のしかたや、
優勝者が、賞品として授与される長さ5メートルの柱にまたがって町を練り歩く様子など、
隠岐古典相撲の特色が丁寧に描かれていました。
古典相撲を守る島の男たちと、それを支える女たちの心意気が強く伝わってくる映画でした。
川上健一さんの原作も読んでみたいと思っています。