縁は異なもの

活動拠点を福岡に置くあべやすみさんは、「あべちゃん」の愛称で親しまれています。
部屋のパーティーの司会をしてくださっているご縁で、
九州場所の折にはしばしば部屋にもおいでになるそう。

6年前の九州場所を限りに引退した夫のために、
現役時代から熱烈に応援してくださっていた方が
福岡市内のホテルで盛大な引退パーティを催してくださったのですが、
そのパーティにはあべちゃんの姿もありました。

気づくとあべちゃんは、私の従兄と親しげに話をしていらっしゃいます。
大学時代は国体で優勝し、いまは大学ヨット部の監督をしている従兄。
聞けば、あべちゃんとはヨット仲間なのだそう。

夫-あべちゃん-従兄-私
それぞれは知り合いだったわけですが、夫と私が結婚したことで、それが円としてつながりました。

私たちが結婚してつながった輪っかがもうひとつあります。
20年ほど前、夫の師匠である当時の若松(現・高砂)親方が部屋を新築されたときのこと。

私の父は、ドイツのシステムキッチンの輸入・販売に携わっていたのですが、
新・若松部屋のちゃんこ場と親方のご自宅に設置したシステムキッチンは、
父の会社の取り扱い商品だったのです。
お客さまには有名人も多いとは聞いていたのですが、親方もそうだったとはビックリしました。

当時、親方は知人の方とごいっしょに会社のショールームにお越しになり、
そのとき父もご挨拶したのだそうです。

このことを知った夫は、驚いたのはもちろんですが、感慨深かったようです。
自分が長年(うち15年はちゃんこ長として)慣れ親しんだキッチンが、
のちにわが妻となる人の父親の会社のものだったのですから。

ご縁とはよくよく不思議なものです。