彩色家の引退

初場所も終盤戦にさしかかった先月下旬、ショッキングなニュースが飛び込んできました。
62年もの長きに渡り、優勝額の彩色をされてきた、佐藤寿々江さんが引退されることになったのです。

この間、佐藤さんが彩色を施した優勝額の数は、実に350枚に上るそう。

ご本人の意向で後継者を取らなかったため、初場所優勝の白鵬からはカラー写真になるとのこと。
あの重厚感が出るのか、気になります。

以前書いたように、おととし佐藤さんが彩色されている現場に偶然出くわし、
間近に作業を拝見する幸運に恵まれました。

そのとき彩色中だった優勝額の贈呈式にも足を運び、
晴れやかで誇らし気な佐藤さんといっしょに記念撮影もさせていただきました。

そんなことがあっただけに、佐藤さん引退の報にショックを受けましたが、
引退される前に、彩色現場を見せていただけたのは本当にラッキーだったと思います。

とにもかくにも、85歳までおひとりで続けてこられたことに心から敬意を表したいと思います。
お疲れさまでした。