隅田川のあっちとこっち

実は先日引っ越しをしました。
隅田川の東側の墨田区から西側の台東区へ。
思えば私はひとり暮らしを始めて以来、国技館まで徒歩圏内の
隅田川のあっちとこっちを行ったり来たりしています。
 
そういえば両国→蔵前→両国と
国技館にも隅田川のあっちとこっちを行き来した過去がありましたっけ。

さて、川のあっちとこっちを気軽に往来できるのは、
たくさんの橋が架かる昨今に生きる私たちにとってごく当たり前のことです。
現に夫は、毎日隅田川を渡ってチャリ通勤しています。

しかし昔むかし、まだ橋が架かる前は、川のあっちとこっちは別世界だったんだろうと思います。
実際、江戸時代は別の「国」でした。

現在の認識と違って、当時、川とは越えがたい、大きな存在だったはずです。
氾濫が多く「暴れ川」として有名だったとはいえ、
馬子唄に「箱根八里は馬でも越すが越すに越されぬ大井川」と唄われたことからも
川に対する畏敬の念にも似た思いがうかがえます。

ここのところ、「川」のつくしこ名はほとんど絶滅状態です。
川は“流れる”ことから好まれなくなっているということですが、
現代人の川に対する意識の変化が最大の原因ではないか、
と思うこのごろです。