入門の春

昨日から春場所が始まりました!!
 
春は、1年を通じて入門者が多い場所。
ここしばらくは減少傾向にありましたが、今年は2年ぶりに増えて、
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人の新弟子クンたちが今日から始まった前相撲で、順に初土俵を踏むそうです。
 
30年ほど前の春場所中、沖縄の大学の4年生だった夫は、
卒業後はお相撲さんになろうと、親にも内緒で大阪に単身で乗り込みました。
 
いまでこそ、入門規定が【身長167センチ・体重67キロ以上】と緩和されましたが、
当時の規定の身長173センチに大きく届かず、2つの部屋に断られてしまった…。

しかし、なんとか若松部屋に拾ってもらえることになり、その日から居候生活が始まりました。
以来、新弟子検査に合格するため、身長を伸ばすことに奮励努力することになります。
 
この時点で夫はすでに22歳。成長期はとうに過ぎている年齢。
体重ならがんばれば増やせるだろうけど、身長は努力でどうにかなるものじゃない。
そう思ってふつうはあきらめますよね~
 
でも夫はどうしてもお相撲さんになりたかった。
だから聞くも涙(いまとなってはかなり笑える!)のあらゆる努力をして、
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月の九州場所前の新弟子検査では頭にシリコンまで注入してなんとか合格したのでした。
 
若松部屋に拾ってもらってから、新弟子検査に合格をするまでの、
本人は大真面目、傍からみたら笑えるエピソードは
夫の著書「シコふんじゃおう」第4章)に詳しいので、
ご興味のある方は読んでみてくださいませ。
 
さて、わが息子は教師になるものだとばかり思っていた夫の両親が
「相撲部屋に入ったから」という大阪からの突然の電話に
どれほど驚いたかはご想像のとおりです。
 
その日から毎日のように、お父さんから「バカなことはやめて早く帰ってこい」
と部屋に電話がかかってきたそうですが、
2年だけやらせてくれ」の一点張りで夫のねばり勝ち。
2年を経過したのちも「あと2年だけやらせてくれ」を繰り返し
結局25年も続けてしまいました。
 
この春場所初土俵を踏む39人のうち、
どうしてもお相撲がやりたくて入門した人がどのくらいいるかわからないけれど、
とまれかくまれ相撲界に足を踏み入れたのです!
新たな門出を祝し、みんなにがんばってほしいと願わずにはいられません。