新序出世のお披露目は土俵上で…

先週、「この春場所39人の新弟子クンが前相撲で初土俵を踏む」と書きましたが、
これは正確ではありませんでした
 
39人のうちのひとり、注目の新人・遠藤は昨年のアマ横綱
幕下10枚目格に付け出されているので、彼の初土俵は前相撲ではなく、幕下です。
 
前相撲で2勝すると、翌場所から番付にシコ名が載ることになります。
彼らを土俵上でお披露目するのが、新序出世披露
「番付外だったこの力士たちが、来場所から番付面に加わります。以後よろしく」
っていう意味の口上を若い行司さんが述べるんです。
 
このとき彼らは、部屋の親方や関取から借りた化粧まわしを締めて土俵に上がるのですが、
みんなちょん髷が結えないどころか、まださらさらの短髪だし、
蹲踞もままならず、ふらふらしている子もいたりして、なんともういういしくほほえましいのです。
そして「がんばれ~」ってついつい親のような気持ちになってしまいます。
 
何日か前、NHK中継の解説で、元・北勝海八角さんが、
「この39人は相撲界の宝だ」とおっしゃっていました。
10
年後の相撲界をしょって立つ人たちだと。
本当にそのとおり。大切に育てていってほしいと思いました。
 
幕下付け出しのお相撲さんは、まさに鳴り物入りでデビューするので、
結果的に必要ないのかもしれませんが、
あのほほえましくも厳かな、土俵上でのお披露目の機会がないのは、
ちょっぴり残念な気もします。