太ったからだは努力の賜物

お相撲さんは、宴席において重宝がられます。
 
たとえ芸達者でなくとも、おしゃべり上手でなくとも、美しい顔立ちの色男でなくとも
ただいるだけで喜ばれるのです。
テレビに映るような番付上位のお相撲さんならなおさら、そうでなくても、です。
 
宴席だけではありません。
高齢者施設などを訪れると、たいそうありがたがられます。
涙を浮かべて喜んでくれるおじいちゃん、おばあちゃんもけっこういらっしゃるそうです。
 
たしかにそばに寄るだけで、ありがたい気がしてきます。
なんだか触りたくなるのは、ご利益がありそうだからでしょうか。
 
お相撲さんたちがありがたがられるのはなぜなのか。
考えてみました。
 
お相撲さんは太るための生活をし、太るための努力をしています。
そこに毎日の稽古が加わって、尋常ならざる立派な体躯が生まれているのです。
太ったからだは偶然の産物ではなく、鍛え上げられた努力の賜物。
太ったからだそのものに価値があるのだと思う。
 
だから、大きなからだでそこにいる、
ただそれだけで人を喜ばせ、感動させることさえできてしまう。
 
そう思います。