ピータンで連敗ストップ!

5月場所もいよいよ大詰めを迎え、勝ち越し、負け越しが続々と決まっています。
 
勝ち越すことを「給金を直す」、勝ち越しのかかった一番を「給金相撲」といいますが、
これは大相撲中継でも使われたりするので、耳にされたことのある方も多いと思います。
 
では、この反対語にあたる言葉はご存じですか?
私も今年初めて知ったのですが、「向こう給金」というそうです。
 
「向こう給金」といえば、6年前の5月場所のことが忘れられません。
夫は初日から3連敗し、4番目の相撲がさっそく「向こう給金」のかかる一番となってしまいました。
 
3敗目を喫した晩、それまでにも何度か行ったことのある中華料理店で食事をしました。
ピータン好きの夫はいつものようにそれを注文し、一皿をペロリと平らげました。
(私はピータンがあまり得意ではないため、まったく手をつけず)
 
お店を出ると、夫がおなかの不調を訴えはじめ、
近所だったので私のマンションのトイレに駆けこみました。
おなかが落ち着くと、部屋に帰っていきましたが、
その後、今度は嘔吐に苦しんだそうです。
 
翌日に「向こう給金」相撲を控えていたので、いつも以上に心配したものです。
 
さて、あくる朝、私はいつものように近くの神社にお参りをしたものの、
不安な気持ちを抱えたまま、国技館に向かいました。
 
昨晩あんなことになっちゃったし、ストレートで負け越してしまうのかな…。
いやいや、そんなはずはない。踏みとどまってくれるはず。
私は葛藤していました。
 
そんな心配をよそに、なんとその日は勝利!
相手は誰で、どんなお相撲だったのか、まったく覚えていませんが、とにかく初白星です☆
心から安堵しました。
 
とはいえ、すでに3敗しているので、つぎからも「向こう給金」のかかる相撲が続きます。
やはり気が休まりません。
 
すると、どうしたことでしょう!
その後も連勝して、結局勝ち越してしまったのです!
 
ピータンのおかげで、からだのなかの悪いものをすべて出し尽くしてしまったから、
それまでの連敗が断ち切られ、連勝につながったんじゃないか、と私たちは分析しています。
まさに怪我の功名です。
 
あの中華料理屋さんは、区画整理のため立ち退いてしまいましたが、
“3連敗→4連勝”というドラマチックな展開を仕立ててくれた、あのお店のピータンは、
いまでもちょくちょく話題に上る、忘れられない“逸品”です。
 
ちなみに幕内の土俵で、7連敗したのち8連勝で勝ち越しを決めた例は、
あとにも先にも、昭和26春場所栃錦(当時は前頭2枚目)だけだそうです。