うなぎと講談

 先週、JR両国駅のほど近く、明治10年創業という老舗のうなぎ屋さんに行ってきました。
その名も「両國」。
以前から気になっていた外観には、130年余の歴史を感じさせるどっしりとした貫禄があります。
暖簾をくぐると、カウンター席と小上がり席、2階にはお座敷がありました。
 
場所柄、相撲関係者の来店も多いようです。
お座敷には、5人の力士の手形とサインの入った横長の立派な額が飾ってありました。
判読できなかった2人のほかは「若乃花」、「大鵬」、「柏戸」のもの。
大物ぞろいの、豪華な額です。
 
実はこの日、講談とうなぎを楽しむ「どんぶり会」が行われていました。
神田こなぎさん(前座)、田辺凌鶴さん、神田すみれさんによる講談が聞けるうえ、
鰻丼、つくね、おしんこに日本酒までついて4000円。
 
すみれさんの講談が好きで、この「どんぶり会」に初参加してみたのですが、
楽しかったのはもちろん、うなぎはふっくらしていながら香ばしく、たれもいいお味。
なんともお得で大満足でした。
 
ここ「両國」にはその昔、講談師さんや歌舞伎役者さんが多く訪れていたといいますが、
それがご縁で「どんぶり会」が始まり、なんと60年も続いているのだそうです。
 
お隣になった方は、すみれさんの講談教室の生徒さんとおっしゃる男性で、
さすが講談をなさるだけあって、お話がお上手、
しかも落語家さんを思わせるような粋な話し方をされる方でした。
浪曲にも興味があって習いたいとおっしゃっていました。

余談になりますが、そういえば9月に安田登さんの寺子屋で、
夫の相撲甚句浪曲師さんのコラボが企画されています。
詳細はまだ知らされていませんが、
興味深い取り合わせに、私もいまから楽しみです。