かぐわしき鬢付け油の香り♪

甥っ子Tクンが「懐かしい」と言った鬢付け油の香り。
甘いけれど甘ったるくない、ベビーパウダーにも似た、あの香りが私も好きです。
 
断髪式を2カ月後に控えていた夫は、引退後も髷を結っていました。
結婚していっしょに住み始めたのはマンションの5階。
出先から戻ってエレベータに乗ると、時おり鬢付け油の残り香が…。
それは、夫が「先に帰っている」とか「いま出かけていった」サインでした。
 
私は比較的、匂いに敏感です。
好みである鬢付け油の香りを見逃す、否嗅ぎ逃すわけはありません。
その香りを漂わせているお相撲さんが遠くにいても、いち早く気づきます。
 
ずいぶん前のことですが、母と総武線に乗っていると、
私の鼻が、どこからともなく漂ってくる鬢付け油の香りをキャッチ。
 
「近くにお相撲さんがいるはず」とあたりを見回すと、
いました、いました。
(元大関貴ノ花の)二子山部屋のお相撲さんが、隣の車両に。
 
母は私の嗅覚に、変に感心していました。
 
最近では、今年の3月、大阪に行ったら寄らなきゃ帰れない、
しゅうまいがめちゃめちゃおいしい中華料理店の2階で夫と食事をしていたときのこと。
またまた私の鼻が、鬢付け油の香りを感知。
 
私 「あ、鬢付けの匂いがする!」
夫 「ん?」
私 「ほらほら、するじゃん」
夫 「え?」
 
店内を見回してもお相撲さんの姿はありません。
 
私 「たぶん1階にいるんじゃないかな」
夫 「へ?」
 
絶品のしゅうまいを堪能し1階に降りると、ほーら、いました!
お相撲さんがふたり、1階の席に座ってお食事してました。
 
ようやく
夫 「ホントだ!」
 
私の鼻は、利くのです。
とくに鬢付け油への感度はかなり高いです。