相撲講談

先月の若手男性講談師さんによる講談会では相撲講談の特集が組まれました。
その名も「相撲講談日本橋場所」。
 
「相撲特集」といわれて行かずにおけるはずもなく、
日本橋亭にいそいそと出かけたのでありました。

講談にはお相撲さんが登場する話は多く、4人の講談師さんが
「小田原遺恨相撲」「一本刀土俵入り」「橋場長吉」「桜川五郎蔵
をそれぞれ読んでくださいました。

このうち、「小田原遺恨相撲」と「橋場長吉」に谷風登場。
江戸後期に相撲の黄金時代を築いた、天下無双の大横綱谷風梶之助
相撲が強かったばかりでなく立派な人物だったそうで、
その品格を物語るエピソード「谷風七善根」が残されているほど。
ちなみに「橋場長吉」はその「谷風七善根」のひとつ。

「一本刀土俵入り」は長谷川伸の戯曲で、歌舞伎でも上演されていますし、
この戯曲をモチーフとした歌謡曲がつくられ、三波春夫さん、二葉百合子さんから
五木ひろしさん、氷川きよしさんまで、多くの歌手によって歌われてきたため、
ストーリーをご存じの方も多いのではないかと思います。

何人かが高座に上がる講談会では、同じジャンルの題材がかぶらないよう互いに調整するそうですが、
それを逆手にとって、このように特集にしてしまうのも面白い企画です。

ほかにもたくさんある、相撲にちなんだ講談をもっと聞きたいので、
また特集してほしいのですが、しばらくないでしょうかね…。
 
たとえば両国にぎわい祭りイベントのひとつに加えるのも、楽しい試みかもしれません。