歌舞伎公演の懸賞幕

以前、お相撲さんが描かれている講談について書きましたが、
歌舞伎にも「一本刀土俵入り」や「め組の喧嘩」、「双蝶々曲輪日記」など、
力士が登場する演目があります。

故・中村勘三郎さんが江戸時代の「中村座」を復活させた「平成中村座」。
去年の五月大歌舞伎では「め組の喧嘩」が上演されました。
鳶とお相撲さんが喧嘩をするという演目にちなんで、
ちょうど開催中だった五月場所中「平成中村座」が毎日懸賞をかけたことは、
ちょっとした話題になりました。
大相撲に懸賞を出すのは歌舞伎公演としてはこれが初めてだったそう。

貴乃花親方が「平成中村座」を訪れたり、
勘三郎さんらが公演後、国技館で相撲観戦をされたり、
「め組の喧嘩」の上演がきっかけで、去年の5月はこんな交流がありました。

さて歌舞伎役者さんのなかには、相撲好きの方もけっこういらっしゃるようで、
夫が年に何度か宴席でご一緒するKさんもそのお一人。
東京場所ごとに、一度は桝席で観戦されています。
今年は、役者仲間とそのご家族、総勢10名ほどで観にいらっしゃるとのことで、
夫が桝席を手配してさしあげたこともありました。

去年、恒例の宴席で懸賞の話になり、
懸賞を出すにあたってかかる費用や決まり事などについて、夫が説明すると、
「め組の喧嘩」に出演が決まっていたKさんは「平成中村座」で懸賞をかけよう!
と大いに盛り上がり、たちまち話がまとまって実現に至ったのだそうです。

平成中村座」の懸賞の垂れ幕が土俵上をまわることになった裏には
お酒の席でのこんなエピソードがありました。