巡業の稽古改革

今月8日の茨城県石岡市を皮切りに、東北・北海道を中心に8カ所をまわった今年の夏巡業。
稽古に、あらかじめ相手を決めて申し出る「申告制度」が新たに導入され、話題になりました。
 
巡業では従来、「申し合い」と呼ばれる稽古が行われていました。
勝った力士が次の相手を、土俵まわりを取り囲む力士のなかから指名する、というやり方で、
力士は自由に申し合いに加わることができました。
 
それが、事前に申告した力士によって、
二人で何番も何番も取り続ける「三番稽古」や、3、4人のグループでの「申し合い」に変わったのだそう。
 
従来の「申し合い」は
・土俵を20人近いお相撲さんが取り囲むので、稽古の様子がお客さんから見えにくい
・体調不良などでほとんど土俵に上がらない力士が土俵まわりにいるのはよろしくない
との理由から、「申告制度」の導入に相成ったという次第。
 
稽古をしない力士が土俵まわりにいないため、稽古風景がよく見えたし、
撮影もしやすかったと、記者さんの評判も上々。
 
ただ、今回の巡業の様子を写真で見ると、土俵まわりにお相撲さんが少ない分、やや寂しく感じます…。
ほとんどの力士が次々に土俵に上がって稽古するのであれば、
従来の申し合いのほうが迫力も活気もあっていいのでしょうけれど、
ケガや不調もありますから、むずかしいところです。
 
いずれにしてもこの夏巡業では、稽古改革が奏功し、
期待の大きい遠藤や若手のホープ照ノ富士、ベテラン豪風、高安、宝富士、
さらには大関稀勢の里琴奨菊らが熱心に土俵に上がり、観客を大いに沸かせたのだそうです。