申し合いと三番稽古

今年の夏の巡業から、稽古に「申告制度」が導入され、
従来の「申し合い稽古」が行われなくなったことは前々回に書きました。
 
そんな話を先日夫としているうちに、「申し合い」と「三番稽古」は車の両輪の如し、
両方をセットで行うことが、いかに合理的かという話に発展。
やはりお相撲って奥深いね~、と結論しました。
 
シコ、テッポウ、すり足、股割りなどが基本運動であるのに対し、
「申し合い」と「三番稽古」は、いずれも実践稽古です。
 
「三番稽古」は、同じ相手と何度も何度も繰り返し相撲を取る稽古。
これは、たとえば足の出し方、まわしの取り方、腰のよせ方、投げの打ち方などなど
あらゆる動きについて、角度やスピード、力の加減などを確認し、微妙に調節しながら、また試す、
そういうことにじっくり取り組める稽古なのだそうです。
 
一方の「申し合い」は、勝ったほうが次の相手を指名する方法で、
いろいろな力士を相手に相撲を取る稽古。
三番稽古と違って1回こっきり、より勝ち負けにこだわるようになる分、より実践的といえそうです。
 
どちらも実践稽古だと書きましたが、
そのなかでも、「三番稽古」は研究、「申し合い」は実践の色が濃いようです。
研究と実践。まさに車の両輪の如し、なのであります。