ちゃんこ鍋はみそ汁代わり

相撲部屋で毎食ちゃんこ鍋をかけるようになったのは、意外にも明治末期からなのだとか。
それまでは回向院内にあった相撲会所(現在の相撲協会)で作ったご飯やおかずを
各部屋から取りにきていたのだそう。
 
それが、元横綱常陸山の出羽ノ海部屋が明治末に100人を超える大所帯になり、
一人ひとりにおかずの配給では時間的にも経済的にも効率が悪くなったことから
一度に全員分を作れて経済的な鍋がメインになったといいます。
 
もともと江戸時代の日本人は豚や牛をほとんど食べなかったようですが、
とくに手をつくと負けになる相撲の世界では四足動物を嫌い、
縁起を担いで主に鶏や魚を使っていたそうです。
 
その験担ぎはいまでも残っていて、場所初日の鍋は鶏のソップ炊き(醤油味)にするのが習わし。
鳥は二本足で立っているから験がいいとされているのです。
 
ところで相撲界では、ちゃんこ鍋はお味噌汁代わり。
ちゃんこ鍋でご飯を食べる(ほかにもたとえば、豚の生姜焼きや唐揚げなどおかずはたくさんあります!)ので、
私たちが鍋のあとに、ご飯を入れておじやにしたり、うどんを入れたりするようなことはしないそうです。
 
前回書いたように私は、湯豆腐ちゃんこのスープにうどんを入れ、タレをかけて食べるのが
たいそう気に入っていますが、夫はそういう食べ方をいまだかつてしたことがないというのです。
もったいないですねー。