神聖なる横綱土俵入り
相撲には、神事、興行、伝統文化の継承、スポーツなどあらゆる側面があります。
これらのいずれかが欠けても大相撲は成り立ちません。
一つでも欠けたら大相撲の魅力は一気に薄れ、衰退の一途をたどることでしょう。
我われ相撲ファンは、そういうごちゃ混ぜの大相撲を当たり前のように受け入れているのです。
さて、このたびの無観客開催の大阪場所。
想像していた以上の違和感がありました。
観客の声援も取組を面白くする要素の一つであることを思い知りました。
一方で、静かな中で行われたからこそ覚えた感動も。
横綱土俵入りでは、まず行司さんの警蹕、ついで横綱の柏手を打つ音、四股を踏みしめる音、せり上がるときの足を運ぶ音、そして呼吸する音まで、普段は歓声にかき消されてしまう音たちがはっきり聞こえました。
このことによって、横綱土俵入りが神聖なるものに感じられ、大相撲が神事であることを再認識させられました。
「静かに」という意味の行司さんによる警蹕は、とても重要だったのです。
八角理事長の初日の挨拶のとおり、四股は邪気を鎮めるといわれます。
いい相撲を取ることばかりでなく、そんな役割も担うお相撲さんたち。
千秋楽までなんとかがんばってほしいです!