スカさないで!

相撲界では、師匠の許しを得ずに辞める、つまり逃げ出してしまうことを「スカす」といいます。

一昔前までは、夜みんなが寝ている間に逃げちゃう、いわゆる“夜逃げ”が相場だったそうですが、いまは白昼堂々、たとえばコンビニに買い物にいくような顔をして、そのまま戻らない、というパターンが増えているのだとか。

夫によると、3月に入門した新弟子クンたちが相撲教習所通いを終えるこの時期、スカしちゃう子が多いといいます。

兄弟子たちが目を光らせている部屋では、厳しい稽古、息つく暇なく追われる雑用、慣れない団体生活…、と逃げ出したくなる要素がいっぱい。

教習所では、部屋は違えど同じ境遇にある同期生たちとともに稽古をし、机を並べることで、知らず知らずのうちに息抜きができるのでしょう。

そういう“逃げ場”を失って、部屋を脱走したいと思うのはわからなくもありません。
大きなからだはしていても、中学または高校を卒業したばかりの、まだまだ子どもといえる年齢の子がほとんどなんですから。

数日前のNHK『プロフェッショナル』では、ひきこもりや不登校など、悩みや苦しみを抱える子どもや若者たちを支援する若きプロフェッショナルが紹介されていたのですが、いわば新弟子クンたちのお世話係りでもある夫は、普段はあまりテレビをじっくり見ないのですが、このときばかりは真剣に見入っておりました。

何かヒントになることが見つかったでしょーか。