春場所中日とお彼岸のお中日

琴奨菊の綱取りに注目が集まる春場所は今日、中日を迎えました。
そしてお彼岸のお中日。
 
高砂部屋はお寺さんを宿舎にしていることから、
毎年この日は、夫が“引っ越し”と呼ぶ作業にお相撲さんたちも大忙し。
 
宿舎にしている久成寺さんでは、お彼岸のお中日に法要が営まれるため、
若い衆が寝泊りしている本堂を彼らの生活の場から、
200人ほどの檀家さんたちを迎えて法要ができる状態に戻さなければなりません。
 
いうわけで、前夜には衣装ケースや段ボールなど身の回りのものを外に出し、
当日の朝お布団を片付けます。
さらに仏壇を囲んで掛けているカーテンを取り外し、ゴザを外して掃除機をかけ、
今度はお寺さんの絨毯を敷き、200脚ほどの椅子を並べ、木魚をセットするなど、
檀家さんらといっしょに法要の支度をするそうです。
 
朝7時から作業を始めて、支度が終わるのが10時ごろ。
この日、稽古はお休みだそうです。
 
法要が行われている間は、喫茶店で時間を潰す人あり、
稽古場の上がり框でお昼寝をする人あり、ちゃんこ場で過ごす人あり。
 
法要が終わると、各お寺のご住職や檀家さんたちにちゃんこを振る舞い、
片付けが済んだら、本堂をまたお相撲さんが寝泊まりする場に戻します。
すべてが終わるのは夕方5時ごろ。
 
高砂部屋のお相撲さんたちは場所のど真ん中に
けっこうたいへんな作業を毎年、人知れず繰り返しているのでありました。